raid

NASのデータ守り方入門:RAID 1、RAID 10、NVMeを選ぶポイント

NASのデータ守り方入門:RAID 1、RAID 10、NVMeを選ぶポイント

NAS(Network Attached Storage)に大切なデータを保存する際、単にディスクに保存するだけでは心もとないと感じることがあります。ハードディスクが故障した場合、保存していたデータも失われてしまう可能性があるからです。この記事では、RAID 1、RAID 10、NVMeという3つのキーワードを中心に、「自分の用途に合った構成はどれなのか」をシンプルに解説します。初めてNASを購入する方や、どのような構成にするか迷っている方も、基本的な選び方のポイントを理解できるでしょう。

RAID 1:ミラーリングで手軽にデータ保護

RAID 1は、同じデータを2台のディスクに同時に書き込むことで、データの冗長性を確保する仕組みです。「ミラーリング」とも呼ばれ、片方のディスクが故障しても、もう片方のディスクにデータが残っているため、比較的容易にデータを復旧できます。例えば、2TBのハードディスクを2台使用した場合、実際に利用できる容量は2TBとなり、もう1台分の2TBはデータのバックアップ(ミラー用)として確保されます。コスト面では、使用できる容量がディスクの半分になる点がデメリットですが、設定がRAID構成の中でも最もシンプルであるため、初心者にもおすすめです。自宅で写真や重要な書類などの個人データを保護したいだけであれば、RAID 1で十分な安全性を確保できます。

RAID 10:速度と冗長性の両立

RAID 10は、RAID 1のミラーリングとRAID 0のストライピングを組み合わせた構成です。この構成を実現するには、最低でも4台のディスクが必要です。データを2台ずつミラーリングしながら、さらに複数のディスクに分散して書き込む(ストライピング)ことで、データの読み書き速度を大幅に向上させることができます。例えば、動画編集のプロジェクトファイルなど、NAS上で頻繁にデータの読み書きを行うような作業では、RAID 1と比較して明らかに快適なパフォーマンスを発揮します。一方で、ディスク4台分のうち半分がミラーリング用として消費されるため、RAID 1と同様に、実質的な使用可能容量は搭載ディスク総容量の半分になります。コストはRAID 1と同じ比率でかかりますが、データの安全性と読み書き速度の両方を高いレベルで求める場合に検討すべき構成と言えます。

NVMe SSDの役割と選び方

NVMe(Non-Volatile Memory Express)は、従来のSATA接続SSDよりもはるかに高速なデータ転送を実現するSSDの規格です。近年、NASに搭載できるNVMe SSDモデルも増えてきていますが、全てのディスクをNVMe SSDにすると、NAS全体の導入費用が大幅に増加してしまいます。そのため、現実的な選択肢としては、「キャッシュ用として1本のNVMe SSDを追加する」という使い方が一般的です。例えば、QNAPの一部のNAS機種では、専用のNVMeスロットにSSDを搭載することで、NASへのアクセス速度をキャッシュ機能によって高速化できます。大容量のデータ保存は従来のHDD RAIDに任せ、頻繁にアクセスするデータやアプリケーションの処理だけをNVMe SSDで高速に行う、という役割分担がNVMe SSDをNASで活用する上でのポイントとなります。

どの構成を選べばいいか

ご自身のNASの主な用途に合わせて、最適な構成を選ぶことが重要です。写真や文書ファイルなどの個人的なデータを保存するのが主な目的であれば、RAID 1でも十分なデータ保護が可能です。一方、動画編集作業や、複数のユーザーが同時にNASへアクセスするような環境では、RAID 10の高速な読み書き性能が有利になります。NVMe SSDは、NASの全体的な速度に不満を感じた場合に、キャッシュとして追加導入するのが賢い使い方と言えるでしょう。ここで最も重要なのは、RAID構成はあくまでデータの冗長性を高めるものであり、完全なバックアップではないという点です。どのRAIDレベルを選択した場合でも、外付けHDDやクラウドストレージへの別途バックアップは必ずセットで用意するようにしてください。

まとめ

RAID 1は手軽に始められるデータ保護、RAID 10は速度と耐障害性のバランスに優れ、NVMe SSDはキャッシュとしての活用でNASのパフォーマンスを向上させます。まずはご自身のNASの主な用途を明確にし、予算や必要なディスク容量に合わせて、無理のない構成から検討を始めましょう。ディスクの台数や種類を適切に組み合わせることで、安心してデータを預けられるNAS環境を構築することが可能です。